もうすぐ楽しいクリスマス

師走に入って僕も仕事がやたら忙しいですが、12月といえば巷に溢れかえるクリスマス・ソング。今年もまた色んなクリスマス・アルバムが出回るんでしょうが、今日は僕の好きな2枚のアルバムを紹介します。変な使い回しのオムニバスを買うんなら、是非この2枚を聴いてみてくださいね♪


Carpenters/CHRISTMAS PORTRAIT(Special Edition)
Christmas Portrait

ミュージシャンにとってクリスマス・アルバムを作るのはひとつの夢らしい。カレン・カーペンターにとってもそうであったらしく、78年に企画・録音された時のリキの入れようは半端じゃなかったようで、アレもコレもというわけで、LP1枚では収まらないかなりの曲数が収録された。で、その時は『CHRISTMAS PORTRAIT』という1枚のLPで発売されたが、カレンの死後(84年)、兄貴のリチャードが残余の曲に数曲加えて、もう1枚の『OLD FASHIONED CHRISTMAS』として発売した。
このSpecial Editionは、その2枚のLPからベスト・ナンバーを選び曲順も変更して、CD1枚にまとめたもの。1枚でも21曲、約1時間分が収録されていてお徳用。最近は、全曲を2枚のCDにカップリングした『クリスマス・コレクション』というアルバムも出ているが、僕としてはこの1枚盤で十分かな、と。
「Winter Wonderland」で始まるメドレーなど楽しいクリスマス・ソングがいっぱい詰まっているが、やっぱり、「The Cristmas Song」や「Have Yourself a Merry Little Christmas」といったバラッドでのカレンの甘くとろけるようなヴォーカルが絶品。


■The Singers Unlimited/CHRISTMAS
クリスマス

シンガーズ・アンリミテッドは、50年代頃に一世を風靡したジャズ・コーラス・グループ「ハイローズ」の元メンバー、ジーン・ピュアリングとドン・シェルトンの2人に、レン・ドレスラー、紅一点のボニー・ハーマンを加えて結成され、70年代に活躍した不世出のコーラス・グループ。
デビューはオスカー・ピーターソン・トリオと共演した『イン・テューン』だが、事実上のメジャー・デビューはその名も『ア・カペラ』。ア・カペラといえばこのアルバム。ジーン・ピュアリングの秀逸なコーラス・アレンジ(後にマンハッタン・トランスファー等に幾つもアレンジを提供した)と、今時巷に氾濫するあかぺらゴッコを笑い飛ばすような(^o^;一分の隙もない高度なアンサンブルで、ア・カペラ聖典となった。
そのシンガーズ・アンリミテッドが、『ア・カペラ』の次に出したアルバムがこの『クリスマス』。華やかなポップ・チューンを避けて、あくまでトラディショナルなクリスマス・キャロルや賛美歌にこだわった選曲だが、クリスマスというイベントが単なるお祭りではなく、キリスト教のミサでもあったのだなぁ、などと今さらながら思い出させてくれる・・・。
静謐なムードの16曲の最後に、たった1曲だけポップなクリスマス・ソング。アカペラで歌う「Have Yourself a Merry Little Christmas」が胸に染み入る。最後にボニー・ハーマンが発する言葉は「ピース!」。懐かしや70年代!