キューポラのあった街

kuma-kichi2005-11-11

キューポラのある街」の原作者・早船ちよさんが先日老衰のため91歳で亡くなったそうだ。

僕は川口という街に住んでもう15年になる。僕が今住んでいるマンションから、芝川沿いに少し上るとダイエー川口店があるが、そこは昔、「キューポラのある街」のモデルになった鋳物工場があった場所らしい。以前はこの界隈は大小の鋳物工場が建ち並ぶ工場地帯だった。そういえば、僕のマンションも以前はかなり大きな鋳物工場だった跡地に建っている。工場の廃屋で、よく「仮面ライダー」なんかの撮影が行われたらしい。今では、この地域は、川口元郷駅エルザタワー*1を中心にマンション銀座と化している。

ニョウボが買い物に行く機会の多かったダイエー川口店は、再建計画の撤退店舗に挙げられ、11月末で閉店する。産業再生機構による撤退発表から2ヶ月での早ワザだ。それも12月の書き入れ時を前にしての早期撤退である。
一方、川口の名物のひとつだったサッポロ・ビール工場の跡地に建設中だった、イトーヨーカドー・アリオ川口店が11月29日にオープンする。103の専門店とヨーカドー・スーパー、延床面積5万㎡を超える大ショッピングモールで、MOVIX川口というシネコンも併設される。
ダイエーの文字通り逃げるような撤退は、この大型ショッピングセンターのグランド・オープンを目の前にして、数ヶ月ぐらい閉店をずらしても焼け石に水だ、という諦めだろうか。いずれにしても、勝ち組と負け組の対照がはっきりでた、晩秋の川口市である。

*1:エルザタワー55と同32の二つのタワーマンションが並立している。55のほうは、高さ185mで現在マンションとしては日本一を誇る。が、2006年にはクロスタワー大阪ベイというマンション(約200m)に抜かれる予定。