フィル・ウッズ Phil Woods

フィル・トークス・ウィズ・クィル

フィル・トークス・ウィズ・クィル

チャーリー・パーカーの死後、その未亡人のチャンが再婚相手に選んだのがフィル・ウッズだった。これが、パーカーの正当な後継者としてのお墨付きだったのかどうかは別として、やはりパーカー派のアルトとして(白人としては)ウッズの右に出る奏者はいない・・・ジーン・クイルを除いては。
このパーカー派アルトの両雄がコンビを組んで録音した数枚のうちでも、最高傑作がこのアルバム('57)だろう。初期の名作Woodloreやジョージ・ウォーリントン・クインテットでは割と優等生的なプレイに終始していたウッズだが、ジーン・クイルという相棒を得て、しのぎを削るようなハードなプレイを展開している。一方のクイルも、ウッズとほとんど区別のつかないテクニックとブロウで追い討ちをかける。
昔、ブラインド・テストと称して、プレイヤーを当てるクイズで仲間と遊んだが、ウッズとクイルの区別は難問中の難問だった。
このアルバムでは、ロリンズの「Doxie」の2つのテイクでのミディアム・テンポでうねるようなプレイと、パーカーの「Scrapple from the Apple」における超ハイテンポのブローイングが最高だ。